創業115年の歴史をもつお菓子の総合商社 コンフェックス株式会社。
約1,200社のメーカー 20,000種以上のお菓子を取り扱い、自社でも輸入商品や、近年の健康志向、SDGsなどのニーズを積極的に取り入れた商品の企画・開発を行っています。
2021年春には新たなグループミッション「人と、おかしと、笑顔と、未来。」を制定するとともに、社内ではDX本部を設立。消費者や社会、そして顧客とともに未来を創るための企業変革を推進しています。
お困りごと 1
ファクスで受領した注文情報を手入力する必要があった
解決 1
DocuWareによるクラウドファクスとの連携と便利なOCR機能により、手入力は不要に
お困りごと 2
注文データの入力・確認は人手で実施、ダブルチェックなどの業務が発生し負担となっていた
解決 2
人手による入力作業がなくなり、OCR結果の確認だけとなって、時間短縮と担当者の業務負荷を軽減
お困りごと 3
受注業務が拠点でしか行えなかった
解決 3
クラウド化で拠点外でも業務が可能となり、テレワーク対応、シェアードサービス化構想を実現
OCR機能では、読取り項目の設定が簡単にできました。
OCR活用で業務処理時間を70%削減できました。
2021年春、同社では新たにDX本部を設立。そのもとでIT化やマーケティング推進、業務改善などを統合的に変革していく取り組みを開始しました。その取り組みのテーマの一つとなったのが、配送拠点における受注業務の効率化でした。
同社では顧客のニーズに合わせて、大きく分けて3つの受注方法に対応しています。大手企業を中心とした流通BMS*、主に新規のお客様を中心としたWeb経由(お客様専用のサイトや同社が運営する受注サイトCHICOTTO.netによる受注)、そして中小のお取引先に多いファクスによる受注です。このうち課題となっていたのはファクスによる受注でした。
DX本部デジタルマーケティング部の谷澤菜月氏は「ファクス経由の受注では、品名やJANコード、数量が商品ごとに記入されて送られてきます。これまでは、各拠点の業務担当者が届いた注文書を見ながら13桁のJANコードや商品数を手入力し、基幹システムに送っていました。入力に時間がかかる上に、どうしても入力ミスが起こることから、チェックにも時間をかけていました」と語ります。
*流通BMS:流通ビジネスメッセージ標準(Business Message Standards)の略。メーカーや卸、小売業などの流通事業者が統一的に利用できるEDIの標準仕様。
ファクス受注業務の改善では、「ファクスのペーパレス受信」「OCRによる入力作業の解消」「確認業務の最小化」を実現し、場所を問わず業務ができる環境を整えることが目標となりました。
「場所を問わず」というのはテレワークもさることながら、受注業務を社内のシェアードサービスとして各拠点から本社に集約し、拠点業務の効率化を図ることを念頭に置いています。「拠点では他の業務を行っている際に注文を受けると、一旦作業中の業務を止めて受注業務、つまり入力作業と確認を行います。その結果、業務効率を低下させることになってしまいます。そこで受注業務を本社で引き取ってしまい、拠点を受注業務から開放し、業務効率を上げることを狙っています」(谷澤氏)。
これらを踏まえると必然的にクラウドサービスに絞られ、「同時に導入するクラウドファクスと連携できること、OCR機能の高さ、設定のしやすさ、比較的低コストで導入・利用できることなどの条件を満たしたのがDocuWareでした」(大森氏)
システムフローとしては、お客様からファクスで送られてきた注文書をクラウドファクスで受信、受信フォルダ内に受信ファクスデータが蓄積されるとDocuWareが自動でOCRとテキストデータを抽出し保存。この時点で拠点担当者がチェックと修正を実施、その後、発注データをCSVでエキスポートして基幹システムにアップしています。
導入は2021年11月にある顧客の北海道のセンターで受注している一部の顧客分から始め、2022年2月には同じ顧客の神奈川のセンターで取り扱う分への展開が行われました。
谷澤氏に導入の効果について伺うと「従来は10件あたり70分かかっていましたが、導入後は10件を20分で処理できるようになりました。気を使う入力作業がなくなったことで、効果は時間だけでなく、担当者の心理的な負荷軽減にもつながっています」と語ります。
リコーの対応について谷澤氏は、「私たちがITに不慣れなこともあり、基本的な質問をすることも少なくないのですが、レスポンスも早く、丁寧に回答をもらえるのでとても安心感があります。DocuWareも期待通り動いてくれるので、満点だと感じています」と語ります。
今後の展望について伺うと、谷澤氏は「ファクス受注に関してはこの仕組の展開を進めていきたいと考えています。導入が進めば、シェアードサービス構想も実現化できると考えています」。また大森氏は「CHICOTTO.netの改善・拡充を通して、ファクスや電話注文のお客様をシフトさせて行きたいと考えています」と語ります。
最後に谷澤氏は「DX全体に関して言えば、DX本部では業務改善に取り組む際に、業務の本質まで掘り下げ、不要な業務をなくし、デジタルにこだわることなくゼロベースで全体の最適化を目指しています。
受注方法がお客様のニーズに合わせて多様なチャネルを持っているように、多様性は強みとなってくると考えています。その一方でその対応のために生産性の低下を招いてしまうというトレードオフの側面もあります。そこに対してITなどを駆使して生産性を高める取り組みをしていきたいと考えています」と語ってくださいました。
お客様情報
■お客様名称:コンフェックス株式会社
■本社所在地:東京都渋谷区代々木3-38-7
■設立:1950年1月
■従業員数:1470名(2021年4月1日現在)
■事業概要:菓子食品総合商社