デジタルサイネージ

デジタルサイネージ市場の拡大

世界のデジタルサイネージ市場は拡大を続けており、調査によると2021年以降も年間平均で10%以上の成長が続くと予想されています。
また、国内のデジタルサイネージ市場も、緊急事態宣言などが影響した2020年は減少したものの、感染拡大防止の注意喚起、対面接客に代わる顧客体験の創造、広告媒体としての利用拡大など、新たな需要による成長が予想されています。デジタルサイネージの市場動向や現状をご紹介します。

デジタルサイネージの国内市場

米調査会社Report Oceanのレポートによると、世界のデジタルサイネージ市場は、2021年から2027年の間に11.2%以上の成長率で成長すると予測されています。

これは、世界的にデジタル化が加速し、看板やポスターの分野を中心に利用が広がっているためとみられます。

デジタルサイネージのディスプレイだけを取ってみても、電車2車両分ほどある大型のものから、小売店舗の商品棚やタクシーのシート裏に収まる小型のもの、タッチパネル型でユーザーが操作できるもの、屋外環境向けのものなど、多様化が進んでいます。

富士キメラ総研のデジタルサイネージ市場総調査2021によれば、デジタルサイネージの国内市場は2020年に初めて前年比減少に転じるまで市場拡大が続いていました。また、デジタルサイネージ広告市場調査（CARTA HOLDINGS）では、2021年のデジタルサイネージ広告市場は2020年で底を打ち、2021年は回復基調にあるとしています。

デジタルサイネージは、コロナ禍における注意喚起の手段として、また、非対面・非接触を実現する接客ツールとして、新しい利用方法も見い出されています。

ディスプレイが大型化し、かつ薄型軽量化したことを背景に、まずは駅構内などの交通機関からデジタルサイネージ市場はスタートしました。そこからネットワーク環境の整備、手軽にコストを抑えて導入できるようになったことから、商業施設や店舗、企業や学校など幅広い場所で導入され、さらに市場が拡大していきました。

そして、近年では多言語対応のための接客ツールとして、またマーケティングツールとしての利用も進んでいます。
ディスプレイの価格や各種システムの価格がここ数年で急激に安価になってきたこともあり、デジタルサイネージは、様々なプロモーションで導入が急速に進んでいます。

参考

デジタルサイネージの価格・導入運用費用の相場

デジタルサイネージの多様化するニーズ

デジタルサイネージは今、駅だけでなく、商業施設や店舗、病院、金融機関、オフィス、学校など、さまざまな業種やシーンで導入されるようになったことで、ニーズも多様化しています。

主に、ディスプレイやコンテンツ、配信するタイミングなどは、設置場所やターゲットに応じて細かにニーズが存在します。それぞれを見ていきましょう。

ディスプレイ

ディスプレイについては、種類やサイズ、必要とされる解像度などに多様なニーズが発生しています。大型化や高解像度化が進んでおり、50インチ以上、4K以上の鮮明な大型モニターが伸びを見せていくと予想されています。

デジタルサイネージディスプレイ選定情報屋外用から店頭用までデジタルサイネージディスプレイの種類

コンテンツ

他社との差別化のためにも、お客様のニーズに応えるコンテンツが必要になっています。例えば、スーパーマーケットではその日だけの限定特価品と価格を明確に目立つように表示する必要があります。一方で、ホテルでは交通案内や天気、ニュースなどのお役立ち情報や、訪日外国人向けに多言語表示をすることも必要になってきます。このように、設置場所やターゲットの必要な情報を出し分けるニーズが出てきているのです。

デジタルサイネージコンテンツ制作サービス

配信タイミング

情報の配信タイミングも重要です。例えば、飲食店において、朝は朝食メニューを表示し、昼はランチメニューを表示するなどして、タイムリーに情報をタイミングよく発信するニーズも出てきています。

こうした多様なニーズに合わせたデジタルサイネージが求められており、開発が進められています。

今後のデジタルサイネージ市場

コロナ禍とアフターコロナの時代となり、デジタルサイネージ市場では、新たな需要が創出されています。
特に、新型コロナウイルスの感染防止の注意喚起ツールとしてや、検温カメラと組み合わせた体温測定システムの一部として、あるいは、対面に代わる非接触接客ツールとしての活用が高まると考えられています。
また、行動分析などによる販促への活用や、最新システム活用による個人に向けた情報配信、防災・減災のための活用などが高まるといわれています。